口(くち)呼吸

●口呼吸について
 本来、呼吸は鼻を通じて行う鼻呼吸が自然な状態ですが、なんらかの原因で鼻呼吸が妨げられると口で呼吸することになります。こどもの20%は口呼吸をしているといわれています。
こどもは鼻づまりを訴えないうえに、鼻づまりが慢性に続き、口呼吸が習慣となっていれば、本人は鼻づまり(口呼吸)で困ることはあまりありません。
しかし、口呼吸では鼻の持つ加温、加湿をする役目、呼吸のリズムを整える役目、細菌を防ぐ役目が損なわれてしまいます。原因を調べ、治療することで、鼻呼吸へと導いてあげることが大切です。

●口呼吸のチェック
下記のうち、あてはまるものが一つでもあれば、口呼吸をしている可能性があります。

・無意識のうちに口が半開きになる
・唇がカサカサに乾燥している
・口が乾きやすい
・風邪をひきやすい
・いびきをかく
・歯並びが悪い
・口臭が気になる

●口呼吸の原因
口呼吸は、鼻や鼻の奥(上咽頭)の病変によることが多く、次のような疾患があります。

・アレルギー性鼻炎
・鼻副鼻腔炎
・アデノイド肥大

●口呼吸の改善方法
(1)耳鼻科を受診する
 鼻やのどの病気がある場合は、まず耳鼻科での診察、治療が必要です。

(2)鼻呼吸を意識する
  息を吸うときは、唇を軽く閉じて、鼻で呼吸することを意識しましょう。

(3)口の周りの筋肉を鍛える
  食事をする際、よく噛むことを意識しましょう。一口につき30回以上が理想的です。メニューは、野菜を中心とした和食がおすすめです。カレーやパスタ、パンなどの洋食は、やわらかいものが多いため、よく噛まずに食べることが多いようです。ガムを噛んで筋肉を鍛える方法も効果的です。

●口呼吸のQ&A
Q.口呼吸を放っておくとどうなりますか?
A. 鼻で呼吸できない状態が続くと、顎の骨の発達に影響を与えたり、虫歯、歯茎の腫れ、口臭の原因になることがあります。また、注意力が散漫になったり、情緒が不安定になったりします。睡眠中の呼吸が妨げられる睡眠時無呼吸症候群の原因になることもあります。思い当たる症状がおありでしたら、一度耳鼻咽喉科へご相談ください。